柴田研究室の陣内香苗さん(博士後期課程)が、韓国の華城市(Hwaseong)で11月7日~11月11日に開催されたthe 5th International Symposium on Asian Dinosaurs in Korea 2023 (the 5th ISAD 2023) にてポスター発表を行い、Student Awardを受賞しました。ポスターのタイトルは「Preliminary Report on Integument Impressions of Mummified Brachylophosaurus canadensis (Ornithischia: Hadrosauridae) from the Upper Cretaceous Judith River Formation, Montana, USA」です。おめでとうございます!
今回のシンポジウムでは、当研究所の今井助教、服部助教も発表を行いました。巡検では、1日目に華城市の卵化石産出地、2日目に晋州(Jinju)の足跡化石産地と翼竜足跡博物館をめぐりました。
タイ王国のナコンラチャシマ・ラチャパット大学附属珪化木鉱物資源東北調査研究所(コラート化石博物館)のナッティニー・トンディー館長をはじめとするスタッフの方々が来学しました。
コラート化石博物館は、福井県立恐竜博物館とタイ王国ナコンラチャシマ県において、2007年から継続的に共同恐竜化石発掘調査を行っています。この発掘調査では、現在までに3種の新種恐竜化石を発見・報告してきました。また、2013年にはコラート化石博物館において本研究所との姉妹提携を行いました。
来学にあたり、新学部の設立に関連して研究や教育面に関する意見交換を行い、姉妹提携から10年経つことから、新たに相互協力に関する協定を締結しました。
福井県立恐竜博物館は、勝山市北谷(前期白亜紀)から発掘されたオルニトミモサウルス類の化石が、研究の結果、新属新種であることを発表しました(研究代表:服部創紀助教)。同類の新種は日本初となります。また、福井で発表された新種の恐竜(鳥類を除く)は6種目、国内では11種目です。
既知のオルニトミモサウルス類に見られない上腕骨の小孔などがあることから新属新種と判断されるとともに、ティラノサウルスの仲間の特徴とされてきた腸骨の垂直稜などが見られる点に基づき学名が与えられました。
研究論文は、オンラインオープンアクセスの国際学術雑誌「Scientific Reports」に掲載されています。
ティラノミムス・フクイエンシスの化石は2023年9月9日(土)から2024年1月9日(火)まで恐竜博物館新館ホール3階にて展示予定です。
学名: Tyrannomimus fukuiensis
学名の意味: 福井産の暴君(ティラノ)もどき
タイトル: New theropod dinosaur from the Lower Cretaceous of Japan provides critical implications for the early evolution of ornithomimosaurs
図1 ティラノミムス・フクイエンシスの化石
図2 ティラノミムスの発見部位と骨格の主な特徴
本学永平寺キャンパスで開催されたオープンキャンパスに出展しました。
恐竜学部(仮称)の概要説明やワークショップを行いました。ワークショップでは、化石や骨についての解説、3Dスキャナの体験、VR体験、点群データを用いた計測体験を実施しました。
午前と午後で約100名の方に参加いただき、アンケートにもご協力いただきありがとうございました。
「福井のものづくり」をテーマにした「おもしろフェスタinサンドーム福井2023」に、恐竜学部(仮称)として参加しました。
当研究所の柴田教授による様々な動物の頭骨や恐竜化石の解説を聞いたり、恐竜の世界をVRで体験してもらいました。たくさんの方にご来場していただきありがとうございました。
県立大学と福井新聞社の共同設立ベンチャー企業「恐竜総研」が、恐竜学研究所の研究成果を活用したTシャツを制作し、12日から発売開始しました。恐竜研究をグッズを通して、より身近に感じてもらおうと企画したものです。
今回活用した論文は、2020年に当研究所の河部准教授と服部助教の発表した、「Complex neurovascular system in the dentary of Tyrannosaurus」です。論文内に使用された画像データを用いて、同大大学院2年の坂根広大さんがTシャツのデザインを担当し、製造はユニホーム企画製造販売のサファイアコーポレーション(福井市)が担当しました。
デザイン:3種類、それぞれ白と黒の2色
価格:3850円
販売:ダイノソーゲート(福井市中央1丁目未来プラザふくしん内)
または
お問い合わせ:ダイノソーゲート
070-4764-9197
本研究所の今井助教、服部助教の両名は、高輝度光科学研究センターとの共同研究のもと、国立研究開発法人理化学研究所の施設SPring-8(兵庫県)において、シンクロトン放射光(強力な電磁波)を利用した高エネルギーX線μCTスキャンを活用し、福井県産の獣脚類大腿骨化石に残された骨組織を非破壊で可視化することに成功しました。この手法の利用は、国産の恐竜化石では初めての試みです。
恐竜骨組織の観察は、恐竜の死亡時年齢、成長速度、代謝などの手掛かりとなるため、恐竜研究で幅広く活用されています。従来の手法は、偏光顕微鏡下の観察を行うため、化石を物理的に切断して薄片を作製するという部分的な破壊を伴うことから、貴重な標本への利用は困難でした。本手法では、化石の破壊を伴うことなく恐竜骨組織の観察が可能となり、CT画像でも、従来手法の薄片画像と同様の組織構造が可視化されています(図1)。この手法は、特に数の限られた貴重な標本に対しての研究に大変有効です。
本研究の成果は、4月7日付の国際学術誌”Journal of Synchrotron Radiation”に掲載されました(論文リンク)。
Imai, T., Hattori, S., Hoshino, M. & Uesugi, K. 2023. High-energy synchrotron radiation-based X-ray micro-tomography enables non-destructive and micro-scale palaeohistological assessment of macro-scale fossil dinosaur bones. Journal of Synchrotron Radiation 30. DOI: 10.1107/S1600577523001790.
タイトル(日訳):高輝度シンクロトロンX線μCTによる、非破壊・マイクロスケールの古組織学的な化石恐竜骨研究
図1. 研究に用いられた福井産獣脚類大腿骨化石(A)、従来手法による薄片画像(B, D, F)、本研究にい寄るCT画像(C, E, G). 黒矢印は成長線. 白矢印は血管孔. スケールバーはそれぞれ20mm (A)、1mm(B-C).
スロバキアの学術研究機関が実施した科学コンテストで優秀な成績を収めた高校生5人が、研修のため福井県を訪問しました。訪れた福井県立恐竜博物館では、勝山市北谷で発掘されたカメ、ワニ、恐竜などの実際の化石を用いた観察実習や、福井県産化石のクリーニング体験を通して自然科学を学びました。また、本研究所の今井助教らが、化石観察や化石クリーニングの指導を行いました。
上・左下 左から服部助教・坂上さん・針谷くん・柴田准教授、 右下 えい坊くん人形焼きと
当研究所から博士課程の坂上さん、修士課程の針谷君と平良さんが学位を授与されました。
また、博士課程修了の坂上さんは生物資源学研究科生物資源学専攻に古生物学領域が誕生してから初の博士号取得者になります。
本当におめでとうございます!皆様のご健勝と今後のさらなるご活躍を、研究所一同心よりお祈りいたします。
当研究所は福井大学医学部法医学分野との共同研究として、医学部Aiセンターに設置されている医療用CTスキャナを用いた恐竜化石研究を開始したことを発表し、福井県立恐竜博物館で常設展示しているアロサウルスの頭骨を用いたCTスキャン撮影の作業を報道機関向けに公開しました。
AiセンターのCTスキャナを用いることで、工業用CTスキャナでは撮影できない大型恐竜の化石も撮影でき、複数回スキャンを行うことで一般的な医療用CTスキャナでは難しい化石のような硬い物体の内部も検査することができます。
解剖学的・法医学的知見を融合することで、明らかになった内部構造から神経系の発達や感覚器などの解析をし、それらから機能・生態の解明をすること、骨格を構成する個々の骨の詳細な観察比較が可能になることが期待されます。
今回は現在リニューアルのため休館中である県立恐竜博物館の全面的協力で、常設展示化石のCT撮影が実現しました。今後は県内外の恐竜化石を用いた撮影も行っていく予定です。
発表の様子(左から当研究所 服部助教・河部准教授、福井大学医学部法医学分野 兵頭教授、同学部病態解析医学講座放射医学 辻川教授)
アロサウルス頭骨
撮影の様子
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